情報の自由に関する法律Freedom of Information Act

 

〔合衆国法典第5編第5章 行政手続〕

第552条 情報の公開:行政機関の規則、意見、命令、記録及び手続

 

(a)各行政機関は、以下に定めるところに従い、情報を公衆の利用に供しなければならない。

(1) 各行政機関は、公衆の指針とするために、以下の事項を個別に定め、その都度連邦公示録に公示しなければならない。

(A)その中央及び出先の組織、並びに公衆が情報を入手し、申請し若しくは請求を行い、又は決定を得ることができる所定の場所、担当職員(制服着用の服務の場合は、その担当者)及びその方法の説明、

(B)各行政機関の活動がそれによって導かれまた決定される一般的な方針及び方法の声明。利用できるすべての公式及び非公式の手続の種類及び要件を含む、

(C)手続に関する規則、利用できる書式又はその書式を入手できる場所の説明、及びすべての書類、報告又は審査の範囲及び内容に関する指示、

(D)法の委任により採択された一般的に適用される実体的規則及び行政機関が定立し採択した一般的政策の声明又は一般的に適用できる解釈、並びに、

(E)上に掲げた事項の修正、改正又は廃止。

これらの事項に関して、実際にかつ適時に知らされている場合を除き、連邦公示録に公示しなければならない事項であって、その公示が行われていないものについては、何人も、いかなる態様においてであれ、それに拠ることを要求され又はそれにより不利益を受けることがあってはならない。本号の目的上、利害関係を有する者全体が合理的な方法で利用できる事項は、連邦公示録庁長官の承認を得て連邦公示録のなかでその旨の言及をすることにより編入された場合には、同公示録に公示されたものとみなされる。

(2) 各行政機関は、公示された規則に従い、以下に掲げる事項を公衆の閲覧及び複写の用に供しなければならない。ただし、当該資料が公表され、かつ公刊物が販売に供されている場合は、この限りではない。

(A)事案の裁決において示された命令並びに補足意見及び反対意見を含む最終意見、

   (B)行政機関により採択され、かつ連邦公示録に公示されていない政策声明及び解釈、

   (C)公衆の利害に影響を及ぼす行政職員用手引及び職員への訓令、

  (D)媒体又は形式にかかわらず、(3)号により何人に対しても開示され、かつ行政機関がその対象事項の性質のゆえに実質的に同一の記録に対するその後の請求の対象となったか又はなる可能性があると認めるすべての記録の写し、

(E)(D)に規定された記録の総合的な索引。

各行政機関は、1996年11月1日以降に作成された記録については、その日から1年以内にコンピュータ通信を含む方法により、又は行政機関によりコンピュータ通信手段が創設されていない場合にはその他の電子的手段により、公衆の利用に供しなければならない。行政機関は、意見、政策声明、解釈又は職員用手引、訓令若しくは(D)に規定された記録の写しを公衆の利用に供し又はこれを公表するにあたっては、個人のプライバシーに対する明らかに不当な侵害を防止するために必要とされる範囲内で、個人を識別できる箇所を削除することができる。ただし、その場合は、削除を正当とする理由を書面で十分に説明し、また削除の根拠となった(b)項の適用除外によって保護されている利益を害さないであろう場合には、公衆の利用に供され又は公表される記録の部分に、削除の範囲が示されなければならない。技術的に可能な場合には、削除の範囲は、記録の削除がなされた箇所に示されなければならない。各行政機関はまた、1967年7月4日以降に発せられ、採択され若しくは公布された事項であって、本号により公衆の利用に供し又は公表しなければならないものについて、その確認に役立つ情報を公衆に提供する最新の索引を保持しておくとともに、それを公衆の閲覧及び複写の用に供しなければならない。各行政機関は、各索引又はその補遺の写しを年4回以上すみやかに公表し、かつ、これを(販売又はその他の方法により)頒布しなければならない。ただし、各行政機関が連邦公示録に公示した命令により、その公表が不必要かつ実行不可能であると決定した場合は、この限りではない。この場合においても、請求がある場合には、複写のための直接的費用を超えない範囲の代価で、索引の写しを提供しなければならない。各行政機関は、(E)に規定された索引を1999年12月31日までにコンピュータ通信によって利用に供しなければならない。最終的命令、意見、政策声明、解釈、又は公衆の利害に影響を及ぼす職員用手引若しくは訓令は、以下の場合に限り、行政機関以外の第三者に対し、行政機関が先例としてこれに依拠し、これを利用し又は引用することができる。

    (@)当該事項が、本号の定めるところにより、索引に掲載され、かつ公衆の利用に供されるか若しくは公表されているかのいずれかである場合、又は、

     (A)当該第三者が、当該事項に関して、実際にかつ適時に知らされている場合。

(3) (A)本項(1)号及び(2)号により利用に供される記録以外のものについては、記録の請求が、(@)当該記録を合理的に説明し、かつ(A)時、場所、手数料(必要な場合)及び履行すべき手続に関して公示された規則に従ってなされた場合には、各行政機関は、何人に対しても当該記録をすみやかに利用に供しなければならない。

(B)本号により記録を利用に供するに際して、行政機関は、当該記録が行政機関によって容易に変換可能である場合は、当該記録を、請求者が求める媒体又は形式で提供しなければならない。各行政機関は、その記録を本条の目的のために変換可能な媒体又は形式で保有する合理的な努力をしなければならない。

(C)本号により記録への請求に応じるに際して、行政機関は、当該行政機関の自動化された情報システムの機能に著しい支障を及ぼす場合を除き、電子媒体又は形式の記録を検索する合理的な努力をしなければならない。

(D)本号の目的上、「検索する」という語は、請求に対応する記録を見つける目的で、行政機関の記録を手作業により又は自動化された手段により調べることを意味するものとする。

(4) (A)(@)本条の規定を実施するために、各行政機関は、公衆の意見を求めかつ聴取したうえで、本条による請求の処理に適用される手数料明細表並びにその手数料が免除又は減額される場合を決定する手続及び指針を明記した規則を公布しなければならない。この手数料明細表は、行政管理予算局長官が公衆の意見を求めかつ聴取したうえで、すべての行政機関に対する統一手数料明細表として公布する指針に適合しなければならない。

     (A)行政機関の前記規則は、以下の事項を規定しなければならない。

        (T)記録が営利利用のために請求される場合は、手数料は、文書の検索、複写及び審査に要する合理的な標準的費用に制限されなければならないこと、

        (U)記録が営利的使用のために請求されておらず、かつ、請求が教育的若しくは非営利的科学団体によってなされ、その目的が学術的若しくは科学的調査にある場合、又は、報道機関の代表によってなされる場合、手数料は文書の複写に要する合理的な標準的費用に制限されなければならないこと、並びに、

        (V)(T)又は(U)に規定されていない請求に対しては、手数料は、文書の検索及び複写に要する標準的費用に制限されなければならないこと。

     (B)情報の開示が、政府の業務又は活動に対する公衆の理解に著しい貢献をなし得るものであって、かつ主として請求者の営利的利益のためではなく、専ら公共の利益のためである場合には、文書は、無料若しくは(A)に定められた手数料以下の割引料金で提供されなければならない。

     (C)手数料明細表は、検索、複写及び審査のための直接的費用のみの回収を規定するものでなければならない。審査費用は、本条により開示の当否を決定し、及び本条により開示を免除される部分を秘匿するためになされる、文書の第一次的審査の間に要した直接的費用のみを含むものとする。審査費用には、本条による請求を処理する過程で提起される可能性のある法律問題又は政策問題を解決するために要したいかなる費用も含めることができない。以下の場合には、いかなる行政機関も本条により手数料を課してはならない。

     (T)手数料の徴収及び処理に要する費用が当該手数料の額と同額若しくはそれを超える場合、又は、

     (U)本号の(A)の(U)又は(V)に規定された請求に対する検索の初めの2時間若しくは複写の初めの100頁。 

     (D)いかなる行政機関も、手数料の前払いを要求することはできない。ただし、請求者が過去に手数料の支払いを滞納したことがある場合、若しくは手数料が250ドルを超えると当該行政機関が決定した場合は、この限りではない。

     (E)本号のいかなる規定も、特定の種類の記録に対する手数料の標準を特別に定める法律によって課し得る手数料に代わって適用されるものではない。

     (F)本条による手数料免除に関し請求者が提起する訴訟においては、裁判所は当該事件を初審的に決定しなければならない。ただし、裁判所による当該事件の審理は当該行政機関の当該記録に限定されるものとする。

(B)訴訟の提起がなされた場合には、原告の居住地、その主たる営業地、若しくは行政機関の記録の所在地にある合衆国地方裁判所又はコロンビア特別区合衆国地方裁判所は、当該行政機関に対し記録の秘匿を禁止し、また原告に対し不当に秘匿されている記録の提出を命じる権限を有する。この場合、裁判所は、事件を初審的に審理することを要し、本条(b)項に規定する適用除外のいずれかにより当該記録又はその一部が秘匿されるべきか否かを決定するために、非公開審理により当該行政機関の記録の内容を審査することができる。その秘匿の妥当性を証明する責任は、行政機関が負う。裁判所は、裁判所が十分に尊重する他の事項に加えて、(2)号(c)及び(b)項の下での技術的実行可能性並びに(3)号(B)の下での変換可能性に関する行政機関の決定についての行政機関の宣誓供述書を十分に尊重しなければならない。

(C)他の法律の規定にかかわらず、本項により提起されたいかなる訴えに対しても、被告は、当該請求を提起する申立て書が被告に送達された後30日以内に、答弁書を送達し、又はその他の方法で答弁しなければならない。ただし、裁判所が、正当な理由の提示を受けて、これと異なる命令をする場合にはこの限りではない。

(D)[廃止、Public Law No.98-620, §402(2), 98 Stat.3335, 3357(1984)

(E)裁判所は、原告が実質的に勝訴した本条に基づく訴訟において、合理的な弁護士費用及び合理的に生じたその他の訴訟費用を合衆国に負担させることができる。

(F)裁判所が、原告に対し不当に秘匿されている行政機関の記録の提出を命じ、かつ合理的な弁護士費用及びその他の訴訟費用を合衆国に負担させるとき、並びに、それに加えて、当該秘匿をとりまく事情が、行政機関の職員が専断的又は恣意的に秘匿したかどうかの問題を提起している旨の認定書を発するときは、特別法務官は、当該秘匿について主たる責任を有する官吏又は職員に対して懲戒処分を行うことの当否を決定する手続をすみやかにとらなければならない。特別法務官は、提出された証拠の取調べ及び検討の後、関係行政機関の管理権者に対して調査結果及び勧告書を提出し、かつ当該官吏若しくは職員又はその代理人に対して、調査結果及び勧告書の写しを送付しなければならない。当該管理権者は、特別法務官が勧告する是正措置を講じなければならない。

(G)裁判所の命令に従わない場合、地方裁判所は、責任を有する職員及び制服着用の服務の場合は責任者を、侮辱罪で処罰することができる。

(5) 複数の構成員から成る各行政機関は、当該行政機関のすべての手続における各員の最終表決の記録を保存し、かつこれを公衆の閲覧に供しなければならない。

(6) (A)各行政機関は、本項(1)号、(2)号又は(3)号の規定により記録の請求がなされた場合には、以下のことを行わなければならない。

     (@)当該請求を受理した後、20日以内(土曜、日曜及び法律で定められた公の休日を除く。)に請求に対する諾否を決定し、かつ直ちに当該請求を行った者に対し決定及び決定の理由並びに不利な決定については当該行政機関の長に不服申立てをする権利があることを告知すること、及び、

     (A)不服申立てを受理した後、20日以内(土曜、日曜及び法律で定められた公の休日を除く。)に不服申立てに関する決定をすること。不服申立てにおいて、記録の請求に対する拒否が、全部又は一部維持される場合、当該行政機関は、当該請求を行った者に対して、本項(4)号によりその決定に対する司法審査のための条項があることを告知しなければならない。

(B)(@)本節に明示する特段の事情がある場合は、(A)節(@)又は(A)に規定する期限は、延長の特段の事情及び決定がなされると予想される期日を請求者に対し書面で通知することによって、これを延長することができる。この通知は、本節 (A)で規定された場合を除き、就業日にして10日を超える延長となる期日を指定してはならない。

  (A) (@)に基づく書面による通知が(A)節(@)に規定された期限を延長する要請について、当該行政機関は、請求者に対して、当該請求が(@)において定められた期限内に処理され得ないかどうか通知しなければならず、また、請求者に対して、請求が当該期限内に処理されるように請求の範囲を限定する機会、又は当該請求若しくは修正された請求を処理する代わりの期限を当該行政機関と取り決める機会を与えなければならない。請求を合理的に修正し又は代わりの期限を取り決めることに対する請求者の拒絶は、(C)節において例外的な事情が存在するかどうかを決定する要素とみなされる。

(B)本節において用いられる「特段の事情」とは、以下の場合であって、かつ特定の請求の適切な処理のために合理的に必要な範囲にとどまることを意味する。

    (T)請求を処理する事務所から離れた出先機関又はその他の組織から請求のあった記録を検索し、収集する必要がある場合、

      (U)一件の請求において要求されているものが大量の別々で異なった記録であって、これを検索し、収集しかつ適切に審査する必要がある場合、又は、

      (V)請求に対する決定について実質的な利害関係を有する他の行政機関と協議する必要があり、又はその決定について実質的な内容上の利害関係を有する二つ以上の部局の間で協議する必要がある場合。この協議は、可能な限りすみやかに行われなければならない。

  (C)各行政機関は、公衆の意見を求めかつ聴取したうえで、複数の請求が実際上単一の請求を成しており、本節に明記された特段の事情を満たすに当たると行政機関が合理的に信じ、また、請求が明白に関連する事項を含んでいる場合には、同一の請求者によるか又は協調して行動している請求者の集団による一定の請求を併合することを規定する規則を公布することができる。複数の請求で関連しない事項に係るものは併合することができない。

(C)(@)本項(1)号、(2)号及び(3)号により行政機関に対して記録の請求を行う者は、行政機関が本号の適用可能な期限規定に従わない場合には、当該請求に関する行政上の救済手段を尽くしたものとみなされる。連邦政府が、例外的な事情が存すること、及び当該請求に応じるために行政機関が相当の努力を払っていることを証明することができる場合は、裁判所は権限を留保し、当該行政機関に対し記録の審査を完了するための追加期間を認めることができる。記録の請求に応じる旨の行政機関の決定が行われる場合、当該記録はすみやかに当該請求者の利用に供されなければならない。本項による記録の請求に対する拒否の通知には、当該請求拒否について責任を有する者の氏名及び肩書又は地位を示さなければならない。

  (A)本節の目的上、「例外的な事情」の語は、行政機関が、未処理の請求の滞留を減少させることについて相当の進展を立証しない限り、本条による請求について予測可能な行政機関の業務負担から生じる遅延を含まない。

  (B) 請求者が、(B)節(A)に基づいて請求の範囲を合理的に修正し、又は請求(若しくは修正された請求)を処理する代わりの期限を取り決める機会を、請求を行った行政機関から与えられた後に拒否することは、本節において、例外的な事情が存在するかどうかを決定する一つの要素とみなされる。

(D)(@)各行政機関は、公衆の意見を求めかつ聴取したうえで、請求の処理に関連する業務若しくは時間(又はその両方)の量に基づいた、記録への請求のマルチトラック処理について定める規則を公布することができる。

  (A)本節に基づく規則において、最も早いマルチトラック処理が認められない請求を行っている者に対して、より早い処理が認められるように、当該請求の範囲を限定する機会を与えることができる。

  (B) 本節は、相当の努力を行うという(C)節の要件に影響するものとみなされてはならない。

(E)(@)各行政機関は、公衆の意見を求めかつ聴取したうえで、以下の場合における記録の請求の優先的処理について定める規則を公布しなければならない。

        (T)記録の請求者がやむにやまれぬ必要性を立証した場合、

      (U)行政機関が定めるその他の場合。

     (A) (@)にかかわらず、本節による規則は、以下のことを確保しなければならない。

        (T)優先的処理を行うかどうかについての決定が行われなければならないこと、及び、決定の通知が、請求日から10日以内に請求者にあたえられなければならないこと、

        (U)優先的処理を行うかどうかの決定についての不服申立ての迅速な審査。

     (B)行政機関は、本節により行政機関が優先的処理を認めたすべての記録の請求を可能な限りすみやかに処理しなければならない。本節に基づく優先的処理の請求拒否を否定するか是認するかの行政機関の決定及び係る請求に行政機関が適時に応じないことは、裁判所による事件の審査が行政機関の記録に限定されることを除いて、(4)号による司法審査の対象となる。

     (C)合衆国地方裁判所は、行政機関が請求に対して完全な対応を行った後は、記録への請求の優先的処理に対する行政機関の拒否について審査する権限を持たない。

     (D)本節の目的上、「やむにやまれぬ必要性」とは、以下のことを意味する。

     (T)請求された記録を本号により優先的に入手することができないと、個人の生命又は身体の安全に急迫の危険を生ずることが合理的に予見できること、又は、

     (U)情報の普及に主として従事する者によりなされた請求について、現実の又は申し立てられた連邦政府の活動について公衆に知らせる緊急性があること。

(E)優先的処理を請求している者によるやむにやまれぬ必要性の立証は、その者の知識及び信念の及ぶ限りで真実でありかつ正確であることを証明する申告書によりなされなければならない。

(F)記録への請求を全部又は一部について拒否する場合、行政機関は、提供が拒否されたすべての請求された資料の量を概算する合理的な努力をしなければならず、また、拒否の根拠となった(b)項の適用除外によって保護されている利益を害することにならない限り、その概算の結果を請求者に提供しなければならない。

 

(b)本条は、以下の事項には適用されない。

(1) (A)大統領命令により定められた基準に基づき、国防又は外交政策のために秘密にしておくことが特定的に認められ、かつ(B)当該大統領命令に従い、実際に適正に秘密指定を受けているもの。

(2) 専ら行政機関内部の人事に関する規則及び慣行に関係するもの。

(3) 制定法(本編第552条bを除く。)により、特定的に開示が免除されているもの。ただし、その制定法は、(A)当該事項が裁量の余地のない仕方で秘匿されることを要求し、又は(B)秘匿のための特定の基準を明示し、若しくは、秘匿されるべき特定種類の事項について定めがあるものに限られる。

(4) 営業上の秘密及び第三者から入手され、秘密にする特権又は特約を伴う商業上又は金融上の情報。

(5) 行政機関との訴訟において、当該行政機関以外の当事者には法により利用することが認められない行政機関相互間又は行政機関内部の覚書若しくは書簡。

(6) 開示が、個人のプライバシーに対する明らかに不当な侵害となる人事及び医療に関する書類、その他これに類する書類。

(7) 法執行目的のために編纂された記録又は情報。ただし、次の場合に限る。当該法執行記録又は情報の提出が、(A)法執行手続を妨げることになると合理的に予測され得る場合、(B)個人の公平な裁判又は公平な裁決を受ける権利を奪う場合、(C)個人のプライバシーに対する不当な侵害を生ずることが合理的に予測され得る場合、(D)秘密にする約束に基づいて情報を提供した州、地方又は外国の行政機関若しくは官公署又は民間機関を含む秘密の情報源の身元を開示することになると合理的に予測され得る場合、及び、刑事法執行当局が捜査過程で編纂し又は法律に基づいて国家安全保障のための諜報活動を行う行政機関が編纂した記録又は情報であって、秘密の情報源により提供された情報を開示することになると合理的に予測され得る場合、(E)法執行のための捜査若しくは訴追の技術及び手続を開示することになる場合、又は法執行のための捜査若しくは訴追の指針を開示することになる場合であって、その開示が法の僭脱の危険をもたらすことになると合理的に予測され得る場合、又は、(F)個人の生命若しくは身体の安全を危険にさらすことになると合理的に予測され得る場合。

(8) 金融機関の規制又は監督について責任を有する行政機関によって又はその行政機関に代わって、若しくはその行政機関が利用するために作成された検査、運営、又は状況に含まれ若しくはそれに関係するもの。又は、

(9) 油井に関する、地図を含む地質学及び地球物理学上の情報及びデータ。

記録のうち合理的に分離することができる部分は、本項により適用除外される部分を削除した後、当該記録を請求した者に、これを提供しなければならない。削除された情報の量は、削除の根拠となった本項の適用除外により保護されている利益を害さない限り、記録の開示された部分に示されなければならない。技術的に可能な場合には、削除された情報の量は、記録の削除がなされた箇所に示されなければならない。

 

(c)(1) (b)項(7)号(A)に規定された記録へのアクセスに関係し、かつ以下のものに該当する請求が行われた場合、行政機関は、当該事情が継続する期間内に限り、当該記録を本条の請求の対象外として扱うことができる。

(A)捜査又は手続が、刑事法違反の可能性に関係する場合、及び、

(B)(@)捜査又は手続の対象となった者が、捜査中であることに気づいておらず、かつ、(A)当該記録の存在の開示が執行手続を妨げると合理的に予測され得ると信ずべき理由がある場合。

(2) 情報提供者の氏名又は個人識別記号により刑事法執行機関によって保有される情報提供者の記録が、当該情報提供者の氏名又は個人識別記号により第三者によって請求される場合、当該法執行機関は、当該情報提供者の情報提供者としての立場が公に確認されていない限り、当該記録を本条の請求の対象外として扱うことができる。

(3) 請求が、連邦捜査局によって保有される対外諜報活動、防諜活動又は国際テロリズムに関する記録へのアクセスに関係し、かつ当該記録の存在自体が(b)項(1)号に規定された秘密指定情報に該当する場合、連邦捜査局は、当該記録の存在自体が実際に秘密指定を受けている情報である場合に限り、当該記録を本条の請求の対象外として扱うことができる。

 

(d)本条において特定的に規定されている場合を除き、本条は、情報の秘匿を認め又は公衆による記録の利用を制限するものではない。本条は、連邦議会に対し情報を秘匿する権限を与えるものではない。

 

(e)(1) 各行政機関は、毎年2月1日又はそれ以前に、合衆国司法長官に、前会計年度にわたる報告書を提出しなければならない。この報告書は、以下に定める事項を含まなければならない。

(A)(a)項により行政機関に対してなされた記録の請求に、当該行政機関が応じない旨を決定した件数及び各決定の理由、

(B)(@)(a)項(6)号によってなされた不服申立ての件数、その不服申立ての結果及び情報を拒否するに至った各不服申立てに対する処分の理由、

      (A)行政機関が(b)項(3)号に基づいて情報を秘匿するために行政機関が援用したすべての法律の完全なリスト、裁判所が当該法律に基づいて情報を秘匿した行政機関の決定を支持したかどうかの説明、及び、秘匿されたすべての情報の範囲についての簡単な説明、

(C)前年の9月30日の時点で行政機関において未処理となっている記録の請求の件数及び同日時点でそれらの請求が行政機関において未処理となっている日数の中間数、

(D)行政機関によって受理された記録の請求の件数及び行政機関が処理した請求の件数、

(E)異なる類型の請求を処理するのに行政機関がかけた日数の中間数、

(F)請求の処理に関して行政機関が徴収した手数料の総額、並びに、

(G)本条による記録の請求を処理するのに向けられた常勤職員の人数及びそれらの請求を処理するのに行政機関よって支出された費用の総額。

(2) 各行政機関は、これらの各報告書を、コンピュータ通信を含む方法により、又はコンピュータ通信手段が当該行政機関によって設置されていない場合には他の電子的手段を含む方法により、公衆の利用に供しなければならない。

(3) 合衆国司法長官は、電子的手段により利用に供された各報告書を一箇所の電子的アクセスポイントにおいて利用できるようにしなければならない。合衆国司法長官は、連邦議会下院の政府改革委員会の委員長及び少数党の理事並びに上院政府問題委員会及び司法委員会の委員長及び少数党の理事に、それらの各報告書が提出される年の4月1日以前に、各報告書が電子的手段により利用可能であることを通知しなければならない。

(4) 合衆国司法長官は、行政管理予算局長と協議の上、1997年10月1日までに、本項により要求される報告書に関連する報告及び業務遂行のガイドラインを作成しなければならない。また、それらの報告書にとって司法長官が有益であると認める追加的な必要事項を設けることができる。

(5) 合衆国司法長官は、各暦年の4月1日又はそれ以前に、年次報告書を提出しなければならない。この年次報告書は、前暦年における本条により生じた訴訟の件数、各訴訟に関係した適用除外規定、各訴訟の結果、並びに(a)項(4)号の(E)、(F)及び(G)により課せられた費用、手数料及び罰則に関する一覧を含まなければならない。この年次報告書はまた、行政機関に本条遵守を奨励するために司法省が行った努力についての説明も含まなければならない。

 

(f)本条の目的上、

(1) 本編第551条(1)項に定義される「行政機関」の語は、すべての行政省、軍事省、連邦政府法人、連邦政府の規制を受ける法人、若しくは連邦政府の行政部門におけるその他の組織(大統領府を含む)、又はすべての独立規制委員会を含むものとする。また、

(2) 「記録」及び本条において情報について用いられているその他のすべての語は、電子的な形式を含むいかなる形式であれ、行政機関に保有されている場合は、本条の要件に服する行政機関の記録となるすべての情報を含むものとする。

(g) 各行政機関の長は、(b)項の適用除外を条件として行政機関から記録又は情報を請求するための、以下のものを含む参考資料又は案内を作成し、請求に応じて公的に利用に供しなければならない。

(1) 当該行政機関のすべての主要な情報システムの索引、

(2) 当該行政機関に保有されている主要な情報及び記録検索システムの説明、並びに、

(3) 第44編第35章に従い、また本条により、行政機関からさまざまな種類及び類型の公的情報を入手するためのハンドブック。

                                                                  【右崎正博訳】